【過去問演習(3)No.126-130_施工】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No3-26】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.126】

寒中コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)寒中コンクリートにおいて,初期強度を確保するために早強ポルトランドセメントを用いた。
(2)寒中コンクリートにおいて,型枠の取り外し後のコンクリート表面に雨が頻繁にかかるので,かからない場合に比べて養生期間を長くした。
(3)寒中コンクリートにおいて,打ち込む部材が薄いため,荷卸し時のコンクリート温度を30℃にした。
(4)寒中コンクリートにおいて,旧コンクリートの表面が凍結していたので,それを融かして水分を取り除き,新コンクリートを打ち継いだ。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。土木学会示方書では,初期強度を確保するため,早強ポルトランドセメント,または,普通ポルトランドセメントを用いることを標準としています。ただし,温度ひび割れが懸念される時には,養生等の対策を講じた上で,混合セメントB種を使用する場合もあります。
(2)○正しい。若材齢でコンクリート表面に雨がかかると,初期の凍結融解作用により凍害を受けやすく,受けた場合の影響も大きくなります。水で濡れているコンクリートが継続して,厳しい気象作用を受ける場合には,所定の強度が得られた後も養生を継続するのがよいです。
(3)×誤り。打ち込み後の凍結を避けるためには,10℃程度を確保する必要がありますが,打ち込み温度を上げると,所要の単位水量が増加すること,凝結が早くなること,温度ひび割れが発生する可能性が生じることなどに注意が必要です。土木学会示方書では,打ち込み時のコンクリート温度を,5~20℃としています。
(4)○正しい。凍結したままで打ち継ぐと,打ち継ぎ目の一体性に悪影響を及ぼすため,凍結部分を融かし,水分を取り除く必要があります。

【No.127】

暑中コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)暑中コンクリートと撹枠しながら運搬した。
(2)暑中コンクリートにおいて,運搬中のスランプの低下が大きくなることが予想されたため,流動化コンクリートを用いることとした。
(3)暑中コンクリートにおいて,運搬中のコンクリートの温度上昇を抑制するため,遮熱塗装された運搬車を用いた。
(4)暑中コンクリートにおいて,プラスティック収縮ひび割れを抑制するため,打ち込み後,速やかにポリエチレンシートで覆った。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。フレークアイスが融けると,練り混ぜ水量の増加や,不均質な練り混ぜに繋がり,強度,耐久性など,コンクリート品質に影響を及ぼすことになるため,コンクリートのスランプ低下への対策として,不適切です。
(2)○正しい。流動化コンクリートを用いることで,暑中コンクリートにおける施工性の改善や,品質確保が期待できます。流動化コンクリートは,一般的に,スランプの経時変化が大きく,遅延形の流動化剤を用いることや,ベースコンクリートに遅延形の減水剤や,AE減水剤を用いることなどの注意が必要です。
(3)○正しい。運搬中の温度上昇を抑制するため,遮熱塗装や,トラックアジテータのドラムにカバーを掛けたり,散水すること,長時間の待機を避けるよう配車計画を立てること等の工夫も行われています。
(4)○正しい。暑中コンクリートでは,コンクリートの表面は,直射日光や風にさらされると急激に乾燥し,仕上げが困難になるばかりでなく,ひび割れが生じやすくなります。露出面が乾燥しないよう,速やかに養生することが大切です。

【No.128】

寒中コンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)寒中コンクリートにおいて,初期凍害を受けても,その後適切な温度で養生すれば,当初設定した強度の確保が可能である。
(2)寒中コンクリートにおいて,荷卸し時のコンクリートの温度を,10~20℃とすることは,初期凍害の防止に対して有効である。
(3)寒中コンクリートにおいて,5℃が28日間継続した場合の積算温度は,20℃が7日間継続した場合と同じになる。
(4)寒中コンクリートにおいて,コンクリートの練り上がり温度を上げるためには,セメントを加熱することが効果的である。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。コンクリートが初期凍害を受けると,その後,養生を続けても強度の増進は小さくなります。初期凍結防止は,寒中コンクリート施工の重要な対策であり,風よけ,給熱,加熱等,適切な養生を行う必要があります。
(2)○正しい。打ち込み後の凍結を避けるためには,10℃程度を確保する必要がありますが,打ち込み温度を上げると,マスコンクリートでは温度ひび割れが発生する可能性も生じるので注意が必要です。土木学会示方書では,打ち込み時のコンクリート温度を,5~20℃としています。
(3)×誤り。積算温度は,コンクリート温度に10を加え,日数を乗じます。
(4)×誤り。土木学会示方書では,水,または,骨材を加熱することとし,セメントを直接,熱してはならないとしています。高温のセメントが水と接触すると急結し,コンクリートに悪影響が生じる可能性があります。

【No.129】

暑中コンクリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)暑中コンクリートにおいて,単位水量の増加を防ぐために,AE減水剤から高性能AE減水剤に変更した。
(2)暑中コンクリートにおいて,水和熱を抑制するために,普通ポルトランドセメントから,中庸熱ポルトランドセメントに変更した。
(3)暑中コンクリートにおいて,普通ポルトランドセメントを使用するので,湿潤養生期間を5日間以上とした。
(4)暑中コンクリートにおいて,打ち重ね時間間隔が180分となるように,打ち込み計画を作成した。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。高性能AE減水剤は,スランプの保持性に優れています。高性能AE減水剤を用いることで,単位水量および単位セメント量が低減でき,温度ひび割れ対策としての効果も期待できます。
(2)○正しい。外気温やコンクリートの打ち込み温度が高い暑中コンクリートでは,温度ひび割れ発生の可能性が大きくなります。水和熱の小さい中庸熱ポルトランドセメントを用いることで,コンクリートの温度上昇を抑制することは,暑中コンクリートにおける温度ひび割れ対策の一つの方法です。
(3)○正しい。日光の直射や風などによる急激な乾燥を避け,ひび割れが生じる可能性を低くするため,露出面を速やかに湿潤養生することが重要であり,土木学会示方書では,養生期間は,日平均気温が15℃以上で普通セメントを用いる場合には,5日間を標準としています。
(4)×誤り。土木学会示方書では,コールドジョイント防止のため,許容打ち重ね時間間隔を,外気温が25℃をこえる場合は2.0時間,25℃以下の場合は2.5時間としています。

【No.130】

マスコンクリートの温度ひび割れ抑制対策に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)マスコンクリートの温度ひび割れ抑制対策として,混和剤をAE減水剤から高性能AE減水剤に変更した。
(2)マスコンクリートの温度ひび割れ抑制対策として,粗骨材の最大寸法を小さくした。
(3)マスコンクリートの温度ひび割れ抑制対策として,膨張材を使用した。
(4)マスコンクリートの温度ひび割れ抑制対策として,熱膨張係数の小さい骨材を使用した。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。高性能AE減水剤は,スランプの保持性に優れていること,また,高性能AE減水剤を用いることで,単位水量,および,単位セメント量が低減でき,温度ひび割れ対策としての効果が期待できます。
(2)×誤り。粗骨材の最大寸法を小さくすると,同じスランプを得るための単位水量が増加するため,水セメント比が同じであれば,単位セメント量も増加することになり,温度ひび割れ発生の可能性が増加します。
(3)○正しい。構造物の条件によっては,膨張材使用によるケミカルプレストレスが,温度応力を減じることもあり,温度応力低減対策の一つです。
(4)○正しい。熱膨張係数の小さい骨材が安定して供給されることの確認が必要ですが,熱膨張係数の小さい骨材を使用することで,温度応力は低減します。
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